パンズ・ラビリンス
「ミミック」「ヘルボーイ」などのB級ホラーやアクション映画で定評を得ていたギレルモ・デル・トロ監督が、スペインで撮った、スペイン内戦を背景とした少女のファンタジー映画「パンズ・ラビリンス」。
1944年スペイン。軍とゲリラの戦いが続く中、少女オフェリアは母カルメンの再婚で山奥に移る。母は再婚相手の子を身ごもっていた。その相手ビダルは、日々ゲリラとの戦いに明け暮れる残忍な男だった。つらい現実の中、オフェリアは空想の世界へとふけっていく。そこではオフェリアは人間界に生まれ変わった姫なのだ。オフェリアの目の前に現れた牧神パンの与えた試練を乗り越えれば、王国に戻れるというのだが。
ギレルモ・デル・トロの現時点における集大成。
「ミミック」「ブレイド2」のような派手な描写も盛り込みつつ、美しくも悲しい物語を作り出して見せた。
ただし、圧倒的なビジュアルで私たちを向こうの世界に連れて行ってくれることを期待すると肩すかしを食らうかも。例えば「ロスト・チルドレン」のようなものとは違うと言える。
この作品は現実とファンタジーの狭間を描いてみせることにあるので、「ハリー・ポッター」のように、学期ごとに行って帰ってこれる世界でもなければ、「ロード・オブ・ザ・リング」のようなハイ・ファンタジーでもない。
「ミミック」も都市の地下に地続きで広がる世界に、主人公自身が放った変異体生物と闘うが、この「パンズ・ラビリンス」もオフェリアが作り出した世界。オフェリアの世界は、小さくもか弱き少女が、過酷な現実から逃げるためでなく、闘うために作りだしたものなのだ。
この世界があるからこそ、世界の暴力を背負った継父と対峙出来る。とはいえ、あちらに行くためには、目の前で起きるつらい現実と同じくらいの試練を耐えなければならないのだ。
その試練の先に訪れる結末は、是非ともご自分の目で確認していただきたい。
素晴らしい! 観るべし!
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