瀬名秀明「Every Breath / エヴリブレス」
瀬名秀明の新刊は、ラジオドラマ用の原作として書かれた、ある女性の100年の人生と、三代にわたる愛の物語「Every Breath / エヴリブレス」。
八歳の杏子は、二歳年上の洋平と奈良の大和郡山を駈けていた。そこで見た空に輝く<帚星>。ここから100年にわたる杏子の人生と、彼女から受け継いだ子供、孫の物語は始まる。成長した杏子の前にアーティストとして“洋平”が現れるのだった。
TOKYOFMのラジオドラマ用原作として書かれたので、女性が主人公のラブストーリーではあるし、文体も意識的に読みやすく、そこかしこにラジオドラマ用にBGMが指定してある。けど、そこはそれやっぱり、ひとクセもふたクセもある話になってます。
最初は設定を聞いたとき、「千年女優」か? と思ったけど、ちょっと違った。また、タイトルから想像してiPodでThe Policeを聴きながら(「Every Breath You Take(見つめていたい)」ですね)読んでいたんですが、それも違ってた。
大ネタ部分としてはグレッグ・イーガンがラブストーリーを書いたらこうなるというかなんというか。
いやもうなんていうか、わかる人にだけ伝わる書き方をしますが、瀬名秀明版「電王」なんですよ。愛理と桜井ですよ、これ。あれは特異点なのか。
瀬名さんの「八月の博物館」「虹の天象儀」ラインのリリカルな世界観の物語の集大成と発展形ともいえ、クライマックスで不覚にもグッと来てしまいました。一般的には上記2作品よりもオススメしやすい作品じゃないかと思います。
しかしまさか宇宙館が出てくるとは思わなかったなー。
リンク先で、ラジオドラマも聴けるみたいですし(Macだと聴けない)、そちらでもお試しあれ。
読むべし!
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