世界で一番美しい夜
天願大介監督の最新作は、日本のある村を舞台にした性と生命の神話的物語ともいうべき「世界で一番美しい夜」。
要村という何もない村は、出生率日本一の村として注目を浴びていた。その理由は十四年前、村の新聞支局に新聞記者の水野一八が左遷されてきたことから始まる。一八が歓迎会で連れて行かれたスナックには、とてつもない美人の輝子がいた。輝子には二人の先夫に先立たれていたが、それは輝子に隠された秘密があった。やがて村全体を巻き込んだ狂騒へと発展していくのだった。
この作品のことは、スズキコージの「スズキコージズキンの大魔法画集」を買ってみたら、序文エッセイで佐野史郎がこの作品について書いており、それから結構楽しみにしていた。
で、実はその時、この映画は全編スズキコージの絵と合成したアニメ映画なんだと思っていて、天願大介監督のアニメ映画ってどんなんだろう? と思っていたら、そうじゃないのね。確かにスズキコージの絵との合成シーンはあるんだけど、それは一部なんですね。
どっちかというと「神々の深き欲望」天願版っていうか、多分本人はそういわれることを意識してるんじゃないかとおもうけど。
今村映画に感じる泥臭くて汗臭い世界とは違って、すっぽんぽんの裸もセックスもあるけど、全体としてあっさりした感じなのは、監督の資質の違いなのか、それとも時代的な違いなのか。
時折合成アニメとして挟まれるスズキコージの絵の方が(パンティとかも!)、実写より数段エロくて神話的ですね。
突き詰めた人間模様の向こうに見える“重喜劇”というよりは、コミカルな狂騒のエロテロ物語という方が正しいんではないかと思いますね。
でも、今村的なものを受け継ぐ意志を明確に見せたというのは、天願大介監督の転換期の作品となるんじゃないでしょうか。
サルビルサ!
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