おと・な・り
また、熊澤尚人監督にやられちまったよっ!
「ニライカナイからの手紙」「虹の女神 Rainbow song」の熊澤尚人監督最新作は、生活の音で存在を確かめ合う隣同士に住む男女の、恋の始まる物語を、岡田准一、麻生久美子主演で描く「おと・な・り」。
カメラマンの野島聡と、フラワーデザイナーを目指す七緒は、古いアパートに住む隣同士。互いの生活の音を壁越しに聞こえて気になるものの、互いに交流はなかった。
聡は、親友でモデルのシンゴの写真集で名を売っていたが、本当に撮りたい写真を求めて、仕事を辞めようとしていた。
七緒はプロのフラワーデザイナーになるために資格試験を受け、合格したら勉強のためにフランスに行こうとしていた。
互いに交差しないと思っていたふたりの人生が、思いがけない繋がりをみせていくのだった。
普通ですと、良い作品、みんなに観て欲しい作品には「観るべし!」とかつけるところなんですけど、ごくまれに「誰も理解してくれなくて良いから、とにかく理屈抜きで惚れてしまった」という、十代の恋のような、恥ずかしいくらいに好きになってしまう作品というのがあります。
それが熊澤尚人監督の「ニライカナイからの手紙」、「虹の女神 Rainbow song」で、もうたまらなく好き!
熊澤作品の世界がたまらなく愛おしいのです。
今回の「おと・な・り」も、実はまったくノーマークだったのに、たまたま「鴨川ホルモー」を新宿ピカデリーで観たときに予告で観てしまって、もうたまらなく待ちきれなくて、恵比寿ガーデンシネマでの先行ロードショー初日に行ってきました。
これを観ながら、似たような設定の某作品を思い出しましたが、あちらがロマンチックコメディだとするなら、こちらはもう少し(かなり)リアルな方向の演出。
とはいえ、中盤はオイオイと思う展開を見せつつ(「虹の女神」における相田翔子みたいな)も、最後は、観たいものを観せてくれました。
というか、最後の10分は、身もだえしながら観てましたよ。「うわあ、まじで、ほんとうに、さいごは、……になってくれるんだろうな!」と思ってましたから、熊澤監督の掌の上に乗りまくり。
岡田君も麻生久美子も、等身大の30歳の男女を演じていて、非常に好感が持てました。カメラマンの手付きとか、フラワーアレンジメントの動作とか、ちゃんと様になっていたと思うし。
「ニライカナイからの手紙」や「虹の女神」の時は、時々力業が見え隠れしましたが、今回の「おと・な・り」が一番安定しているかな。万人受けするという意味では、今回が一番かも。
5/30から全国順次公開だそうです。
みんなに観て欲しいのですが、さっきも書きましたけど、今回は「観るべし!」はつけません。
この感想を読んで、他の人が観て「お前がいうほどでもないジャン」とか「いまいちだった」とか何を言おうと関係ありません!
惚れた女(映画か)に理屈はいらないんです!
わたしが好きだからそれで良いんです!
ということで、2009年の邦画暫定1位はこれです。
今年、これを抜く映画に出会えるかな?






Comments
仙台after-studioの佐藤です。
はじめてお邪魔いたします。熊澤氏の映画、私も今注目しておりました。
珈琲豆仕入れ先のマスターお勧めの監督でした。「久しぶりに映画らしい映画を観た」と紹介されたのです。
『ニライカナイからの手紙』と『虹の女神』を観て、確かに映像が”映画”だあ、と思いました。『虹の女神』で、雨上がりの水溜まりに映る虹の映像は見事でしたね。
『ニライカナイからの手紙』のラストは、思わず涙してしまいました。
『おと・な・り』は未観です。私はDVDレンタルを待とうかと・・・。
Posted by: a/s | 2009.06.19 at 01:51 PM
いつもお世話になっています。
「ニライカナイからの手紙」も「虹の女神」もよかったし好きですが、今回の「おと・な・り」はさらによかったですよ。
レンタルだと秋以降かな。
でも是非見てください。
Posted by: KIYO | 2009.06.19 at 09:25 PM