秒速5センチメートル
ほぼ独力で作り上げたアニメーション「ほしのこえ」と、それに続く長編「雲の向こう、約束の場所」で高い評価を得た新海誠の最新作は、ある少年と少女の青春の始まりと終わりを連作短編アニメーションとして描いた「秒速5センチメートル」。
第1話「桜花抄」。共に小学校を卒業した遠野貴樹と篠原明里。同じ中学に行けると思っていたが、明里は栃木で生活することになった。互いに文通をしていたが、時は2人を別々の道へと引き離していくのだった。
第2話「コスモナウト」、第3話「秒速5センチメートル」とそれぞれの時代を過ぎていま、2人は……。
毎回毎回、観ているこちらが恥ずかしくなるほど甘酸っぱくも悲しい青春物語。みんなの期待する表岩井俊二(「Love Letter」とか)をアニメでやっている人といえばわかりやすいか。
今作はこれまでで一番リアル指向で描き、第1話第2話は究極的に傑作。カットの編集タイミングが素晴らしすぎて、アニメ関係で編集賞があったら是非差し上げたいです。
肝心の3話は……うーん、確かに上手いし乗せられるけど、テクニックで綺麗にまとめちゃった感がするなあ。
それに主題歌の山崎まさよし「One more time, One more chance」は、そもそも篠原哲雄監督の「月とキャベツ」のテーマ曲(まさやんはこの映画の主役もやっている)として使われているのです。「月とキャベツ」は当時大好きな映画だっただけに、ここでもう一度使われることに、個人的にちょっと抵抗感があるのですよ。なおかつこの曲のパワーに、画が負けてるんだよなあ。
これ、監督が20歳そこそこの若者なら諸手を挙げて大拍手なんだけど、さすがに新海監督も30歳過ぎちゃったし、長尺ものとしては3作目だし、そこをもう一歩踏み込んで欲しいよなあと思うのは、期待値が高いせいでしょうか。
ともかく、才能溢れる人だけに、この次はもうちょっと違う傾向のものも観てみたいな。





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